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「ああ、もうだるーー。秀治、さっさと上がろうぜ」
同じ中学の悪友である西田が十時を過ぎたいつもと変わらない時間に、いつもと変わらないことを言った。
只今、俺はバイトで通っている喫茶店Goddessを絶賛清掃中。
元々、店長が自由人であるとは言え、それを途中投げ出すことは俺にはできない。
「悪い西田、先帰っとけ。まだ少しやっていきたいんだ」
休日の明日は学校が休み。何より俺は途轍もなく金が必要だったりする。それ故働けるだけ働いておきたい。
都合が良いことにここは時給制かつ無定時制。何か仕事さえすれば居続ければ居続けるほど見返りは増すのだ。
そのため一円一銭でも金が欲しい俺にとっては、これ異常ない働き仕事場なのだ。
『全く……おまえもまじめすきだよな』
『そんなことないよ。ただ姉ちゃんに負けたくないだけだよ』
そう、これまでして俺が働くのにはきちんと理由がある。ただ単に姉ちゃんに負けたくないである。
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