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「そんな生活態度だと推薦はどうなるかわからないぞ。」
「…はい。」
木で出来た床。
小さな体育科の先生が使う固有の部屋。
別に怒っているわけでもなさそうなので、とりあえず良かった。
誰だって
怒られるのはめんどくさい。
先生の稼働式の椅子が軋む。
「生活指導の先生ってのはみんなに平等じゃなくちゃいけないからな。」
ん~。と少し考える動作をしてから
「はい。先生ありがとうございます。」
と言った。
「…何がだ?」
少し眉間によったしわ。
よくしわを寄せるんだろうか。
跡がうっすらと残っている。
「いえ。なんとなくです。」
苦笑いを返しておく。
小鳥のさえずりが微かに聞こえる。
外の景色は容易に想像出来るだろう。
話は変わるが…
俺には先を読む力がある。
推薦はされる。
あの先生のお陰でだ。
そんな夢を昨日見たんだ。
勘違いかもしれない。
だか今まで一度だって外れたことがないんだ。
まぁ…回避しようとしたことはなからわからないんだが。
「ま。今日髪が黒くなったのはいいことだ。報告しといてやる。」
じゃあな。と言いながら先生は去っていった。
職員室にでも行くのだろうか?
この学校は長方形で中がくり抜かれたように中庭がある。
その角にある教室に戻る俺。
思った通り
今日はいつもより日差しが穏やか。
もう3限は始まっている。
「ピアス入れなきゃな…。」
本当は授業に出なくてもいいんだが、頑張ってくれるはずのあの先生の為に出るか、と思いピアスを戻してから教室に入った。
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