一つだけ違わせて

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桜散らばる四月頃 先輩を送り後輩を迎えた 中途半端な生き方でも いいとあの頃は思ってた 教室に響く黒板を走るチョークの音 真っ白な黒板 真っ白な先生のチョークの粉まみれの右手 真っ白な僕のノート 真っ白な未来 ベルと同時に教室を飛び出し 階段の踊り場へ 隣のクラスから出てくる 君を見るために みつあみの可愛い眼鏡のあの娘 プリントを届けに職員室へ向かうようだ 手伝いたい、手伝いたい、手伝いたい、手伝いたい 気が付くと右足が彼女とは反対の方向へ 彼女が好きで 何かが怖かったあの頃 君と一緒になりたい 君と同じでありたい 君と同じでありたい 君と同じでありたい 違う事なんか一つだけでいいんだ 一つだけで
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