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コーヒー
喫茶店の中に入ると,コーヒーのいい香りが鼻をかすめた。
「いらっしゃい,さあ,こっちに座って。」
店主らしき人が話しかけてきた。
小百合と翔は,少し迷ったが,店主の前に座る。
「なんにしようか?」
店主はとても,人がよさそうな人で,小百合も話しやすかった。
「それじゃ~コーヒーを下さい,砂糖はなしで,ミルクだけで」
「んじゃ,俺もそれで」
「はいよ,それじゃちょっと待ってて下さいね」
二人は店主がコーヒーをいれるまで,店内を見渡していた。
どこか,落ち着く店の造りになっている。
小百合は目をつむり,息を吐き出す。
10分ほどがたった…
いい香りがしてくる。
「はい,どうぞ」
二人はコーヒーの香りをかいで,ニッコリ笑った。
「いい香りだね」
翔が小百合に言って,カップを口に持っていく。
小百合もコーヒーを一口飲んだ。
しばらく,二人で楽しく話しをしていた。
そして,翔がまた,カップを口に持っていった…
その時,翔の手から,カップが床に落ちて割れた。
コーヒーが床に広がる…
翔の様子がおかしい事に小百合も気づいた。
「ちょっと,大丈夫?」
小百合は,翔に手を伸ばそうとしたが,体が自由に動かない。
そして,小百合の視界は狭まっていった…
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