16人が本棚に入れています
本棚に追加
「妹?」
「そう。来年産まれる予定なの、だから楽しみで」
辛そうな顔をして笑顔を造り、私にそう話してきた母。
妹が産まれる
喜ばしい事の筈なのに、心から喜べない自分。
妹が産まれるコトによって消えていく私の居場所。
それがたまらなく恐くて、それでも、母の前では造り笑いを怠らなかった。
不安な顔をしていては母が心配するかもしれないから。
来年、もうすぐ来年になる。
妹が産まれる
私の居場所が消える
遠ざかってしまう
なら、消せば良いんだ。
*************
私は、夢を望んだ
消えてしまうことを
一人になることを望んだ
ただの我儘。
それでも、願った、望んだ
そして、消えた。
消した
叶えた
一人になった
私は、私に殺された.....。
自業自得
今の私には、この言葉がよく似合う気がした。
。
最初のコメントを投稿しよう!