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引き摺りだされた臓物。
心臓、肺、大腸、小腸........。
腹部にある生きるための器官
高鳴るのは
私の心臓の音
もう一つの音
ドクン、ドクン、ドクン――――。
いっそ、踏み潰してしまいたい程に煩い。
でも、コレを潰したら私はどうなるだろうか......。
死んでしまうだろうか?
それとも――――
それとも、生きているだろうか――――。
ジジジジジジ―――――
顔を上げると、扉がある
その中から聞こえる聞き慣れた音
目覚まし時計???
きっと朝がきたのだ
だからこんなにも煩く
心臓の早鐘が聞えない程鳴っているのだ
「起きなきゃ」
こんな気味の悪い悪い場所から逃げなきゃ
そう思い、扉がある方へ向おうとした
その時――――
『死んじゃえ
無能で、役立ずな私―――』
紛れもなく私の声
しかし、その声は憎悪に満ちた黒黒しい声。
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