…売りの少女

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   翌日も少女は、少し具合が悪かったけれどマッチを売りに街へ行きました。 翌々日も具合が悪かったけれど、お母さんに愛されたいから、マッチを売りに街へ行きました。 まるで飢餓の子供のようにパンパンに張ったお腹をさすりながら、マッチを売りに行きました。   もう可愛らしかった頃の、少女の面影はありません。    そして迎えた大晦日。少女はついに路上でうずくまったまま動けなくなってしまいました。 体は赤黒く張れ発疹ができていました。 倒れた少女の下腹部には、水たまりができていました。   「これは大変だ」   通りかかった青年は、薄汚れた少女を抱き抱えると、近くの病院へ連れていきました。
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