…売りの少女

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   翌年のクリスマス。今年こそはみんなでケーキやチキンを食べて、プレゼントを貰えるものだと、少女は淡い期待をしていました。 しかしお母さんは   「稼ぎ時だよ」   と少女にたくさんのマッチを持たせて追い出しました。 しかし少女にはわかっていました。 ベッドの下に、たくさんのプレゼントが用意してあるのが見えたのです。   「ご飯もちゃんともらえて、ちょっと太っちゃったから、きっとお洋服だ!」   少女は期待に胸を膨らませながらマッチを売りに、雪道へと駆け出しました。 でもやはり、マッチは売れませんでした。 そして、プレゼントも貰えませんでした。
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