…売りの少女

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   少女はすでに手遅れでした。 度重なるマッチ売りで少女は不治の病にかかってしまい、もう助からないのです。 そして膨らんだお腹の中には、お父さんのわからない赤ちゃんがいました。 お医者さんは   「少女も赤ちゃんも、このまま天国へ行かせてあげた方が幸せだろう」   と目を背けました。 けれど青年は助かる命は助けてほしいとお願いしました。   「マッチ、いりませんか」   少女はそうつぶやくと、遠い天国に行ってしまいました。 青年はマッチを一つもらい百円をかごに入れると、うまれたばかりの赤ちゃんを抱いて家へと帰っていきました。
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