第一章「ウザいとか傷付くよね」

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「悪かった、出て来いって。」   「…………」   こんにちは、本庄 衛です。現在俺は押入れ……もとい、その中に入っているはまらの説得をしています。ったく、ちょっと「五月蠅いぞ糞餓鬼」って言っただけなのに……男のくせにちっせぇ男だな。   「………ちっちゃくないもん。」   いや、拗ねんな。人の心読んで拗ねんな。   「はまらってば、ご飯食べないのぉ?」   のんきな芽護様の声が、ゆったりと流れる。いつもの事だとでも言うように、普段とまったく変わらぬ様子で茶碗に飯をよそう。あ、ご飯粒落ちた。           パクッ。           ……芽護様は、俺が思っている以上に肝がすわっているのではないだろうか。
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