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芽護様と二人して飯をつついていると、はまらが膨れっ面で押入れから出て来た。寂しかったのか、その頬にはうっすらと涙のあとが残っている。
………つくづく、扱いに困る男だ。
「あ、はまら。ご飯自分でよそってね。」
そして芽護様……。貴女はどこまでマイペースなお方なんだ。さすがの俺も驚きを隠せぬぞ。
「………れよ。」
「は?」
膨れっ面のまま、はまらが俺の服の袖を引っ張って来る。
「謝れよっ!!」
………。
あー、こういうの何て言うんだっけ?つーか、俺は謝った気がするのだが。そもそも、何か勝手にいじけてたくせに……偉そうな態度だな。
あぁ、思い出せぬ。こういう感情を何と言うのだったかな。
………あぁ、そうか。思い出したぞ。この感情の名を。
「はまら。」
「ん?」
そうだ、この感情の名は……。
「ウザい。」
酷いなんて、言わせないからな。
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