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「ハァ、ようやく着いた」
現在9時5分。 遅刻確定。
(あれ、 おかしいな?道場の扉から黒いオーラが出てるんですけど……)
空は何故か竹刀を片手に持って道場の扉を開けた。
「おはよござい――」
瞬間
凄まじい疾さの竹刀が風をきって空に襲いかかってきた。
しかし
「あんたの考えはお見通しなんだよ
ジジイ!」
こうなることが分かっていたかのように空は竹刀で受け太刀していた。
「貴様、なんど遅刻したら気が済む?」
そこには坊主頭にヒゲの男性が青筋を立てて怒りに震えていた。
大分強面のこの中年男性
山本 邦雄<ヤマモトクニオ>
現役の国語教師であり剣道部の顧問であり空の剣の師匠でもある。
「今日こそは息の根を止める必要があるようだな」
「ちょっと先生……目がマジですって。俺、防具つけてないんすから」
二人の剣の腕前は相当で、凄まじい速度の打ち合いが展開されている。
他の部員は各々の準備をしている。見慣れた風景のようだ。
こうしてしばらくの間2人の闘いは続いた。
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