Chapter0≪導かれし者達≫

6/32

74人が本棚に入れています
本棚に追加
/77ページ
一方ここは、彰人の通う中学校。 サッカー部は試合の真っ最中だ。 現時点で試合はドローで後半ロスタイム。 その中に彰人はいた。 審判が時計を気にし出した時、彰人にボールが渡った。 (引き分けで延長になるのはめんどくさいからやだなぁ……しかたないなあの『力』つかっちゃいますか) 彰人は自分の所にきたボールを思いきり蹴った。 ボールはゴールとは程遠いほうに飛んでいく。 しかし次の瞬間、突風が吹き、ボールは風に導かれるようにゴールに入っていった。 すぐさま試合終了のホイッスルが鳴り、試合は1‐0で勝利した。 彰人のこの『力』は、3年前父と兄と自分で天体観測をしていた時、空から光を纏ったなにかが3人に『降った』 その日は3人共高熱で生死の境を彷徨った。 次の日すっかり熱が治ったと共にこの力が使えるようになった。 『風を自由に操ることができる』 数日後……父は行方不明になった。 あの日のことが関係あるかは分からない。 『ただ……突然いなくなったんだ』 世間では蒸発と認識された。でも―― 仲間が祝福しあい抱きあってる中…… 彰人だけはなぜか頭に重たいものを残して そのことについて考えていた。
/77ページ

最初のコメントを投稿しよう!

74人が本棚に入れています
本棚に追加