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一方ここは、彰人の通う中学校。
サッカー部は試合の真っ最中だ。
現時点で試合はドローで後半ロスタイム。
その中に彰人はいた。
審判が時計を気にし出した時、彰人にボールが渡った。
(引き分けで延長になるのはめんどくさいからやだなぁ……しかたないなあの『力』つかっちゃいますか)
彰人は自分の所にきたボールを思いきり蹴った。
ボールはゴールとは程遠いほうに飛んでいく。
しかし次の瞬間、突風が吹き、ボールは風に導かれるようにゴールに入っていった。
すぐさま試合終了のホイッスルが鳴り、試合は1‐0で勝利した。
彰人のこの『力』は、3年前父と兄と自分で天体観測をしていた時、空から光を纏ったなにかが3人に『降った』
その日は3人共高熱で生死の境を彷徨った。
次の日すっかり熱が治ったと共にこの力が使えるようになった。
『風を自由に操ることができる』
数日後……父は行方不明になった。
あの日のことが関係あるかは分からない。
『ただ……突然いなくなったんだ』
世間では蒸発と認識された。でも――
仲間が祝福しあい抱きあってる中……
彰人だけはなぜか頭に重たいものを残して そのことについて考えていた。
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