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子供を親に預けると、空は親の感謝を尻目に早々にその場を走り去った。
銀色に逆立っていた髪は今はもとの茶髪に戻っている。
『あの日』から使うことができるようになったこの『力』、いつでも使えるわけではないが、今みたいな極限状態や、キレた時はあの状態になる。
かつては暴走族のチームをキレて生身で壊滅させたこともある……らしい。
あの時は確か因縁つけられてフクロにされたんだっけ。
気付いたら廃工場の中にいて、周りに暴走族がたくさん倒れてた。
キレた時のこの『力』は意識までなくなる。
この事件は都市伝説にまで発展しているらしい。
『銀髪の悪魔』と……
しかしそこまで経験があるわけでもないのだ。
まだ数回程度しかなったことがない。『あの状態』に。
空自身この『力』は『火事場の馬鹿力』として認識していたし、そう信じてた。
だから、この『力』が自分の運命をかえるなんてことは――
その時は知る由もなかった。
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