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久々に開いたパソコンに、一通のメールが入っていた。パソコンの前に座っている少女はいぶかし気に眉をひそめる。 染めたのが分かる茶色に近い金髪に、大きな焦げ茶の瞳。眉も髪に合わせて染めてある。 少し濃い目のメイクで、ゴールドのアイシャドウに濃く引いた黒のアイライン、長いまつげにはしっかりとマスカラが、そして唇には鮮やかなピンクのグロス。 彼女が向かっている机の上にはノートパソコンが一台。それにマニキュアが数種、メイク道具、コンビニの袋にペットボトルのジュース。キーボードにそえられた指先にはラインストーン付きの派手なつけ爪が。 パソコンの画面に映っているメールのマークをクリックすると知らないアドレスと、短い文章が現れた。 〈ドミノゲーム・START〉 何かのウイルスだろうか 思考を巡らす少女は迷いながらもマウスに手を置き、その文章のところでダブルクリックした。 どうせ滅多に使わないパソコン。駄目になってもどうでもいい それにもしかしたらいい暇つぶしになるかもしれない。 黒の画面に白の文字 そこには同じく〈ドミノゲーム・START〉と記されていた。もう一度、その文章をクリックする。一転、黒い画面は細かい花模様の画面に変わる。そこにいくつかのハンドルネームが書かれていた。 〈ハル 神無月 魅月 デイジー 茜 ケイ〉 そして、続けてその下に文章が載っている。 〈チーム作成完了しました。貴方達はこれから運命共同体です。ドミノゲームでは、誰かが一人倒れればチーム全員倒れます。と言ってもRPG等ではありません。言うとすれば謎解きゲームです。この掲示板は各チームごとに与えられる、専用のものです。これを有効活用して 真実を見い出して下さい。〉 先頭にある、自分のハンドルネームを見て ハルは首を傾げる。 おかしい。 登録してもいないのに、何故自身のハンドルネームがそこにあるのか。第一チーム作成も、かなり強制的なものだ ゲームと言っても何も出てこない。ただ花柄の掲示板があるのみ。 ハッカーの一種だろうか 考えて彼女は首を横に振る。そうだとしても、重要なデータなどこのパソコンには入っていない。 盗まれても どうでもいい そう。あの日 全てを捨てたのだから。 ピピッ 電子音がハルの思考を遮る。
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