390人が本棚に入れています
本棚に追加
気を失って
聞こえてきたのは結の声。
苦しげに
彼女はケイの真実を語っていた。
何故
離れた場所にいる結の声が聞こえるのか
ケイの脳には結が語る真実と共に、埋め込まれたチップから大量の情報が流れ込んでいた。
結の脳にもチップが埋め込まれていること
それはケイの身に、否。
ケイの脳にある殺人ウィルスに何かあったとき、危険を察知する為繋がっている為だった。
結が何故それを知り得たのか分からない。
けれど
それを知って、彼女が何を思ったか。
そして
ドミノゲームを止める為に出来ること。
その答え。
『死にたくない』
嘘じゃない。
嘘ではない。
けれど
けれども。
「ケイ！」
名を呼ばれはっとする。
振り向けば、真後ろにハルが立っていた。
「あ……」
「分かったか？」
滉が尋ねた。
その意味は。
「……ああ」
力なく答え、ケイは肩を竦めた。
「答えは、ひとつだ」
最初のコメントを投稿しよう！