それを知る者に与えられるモノ

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「今の両親が語った真実は、自分達は私達の両親と同じ研究をしていて、私達の両親が亡くなったあと、機関に頼まれて私達を預かったと言う内容だった」 流れる赤い血よりも赤く。 今現実にある真実はあまりに酷だ。 結の声が震えていることに、神無月も気付いている。 「両親がいない間。私は家の中を調べ回った。本当にそれだけか、分からなかったから。政府の人間が、私達の両親を殺しただろうことくらい、分かっていた。チップには、私にあてた伝言も入っていたから」 『結。聞こえるもの、見えるものを信じてはいけない。真実は常に不条理で残酷だ』 「父親の、最後の言葉だったのかもしれない。私は両親のパソコンを調べた。詳しい知識はなかったけれど、たったひとつの名前さえ分かれば、あとは簡単だった」 「それって……」 「凜音の存在。既読メールの中に、凜音と言う名前があった。数少ない既読メールのひとつにね」 最初の犠牲者がケイと結の両親ならば。 次の犠牲者は、凜音と言うことになる。 「大人は裏切る。ならば、子供を使う。それが、政府の考え。私はネットを始めて、凜音と接触することに成功した。簡単ではなかったけれどね。あとは凜音と会って、私達のことを聞けばいいだけ。それだけだった、はずなのに」 悔しそうに顔を歪める。 握る手に力が入り、震えは増した。
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