390人が本棚に入れています
本棚に追加
「……あの」
「あ」
茜とハルが同時に声をあげる。
茜の隣で寝ていたデイジーが上体を起こし、冷たい視線を送っていた。
「私もいるんですが……」
「なんの修羅場だよ」
デイジーの態度に思わず呟くケイ。
黙っていた方が懸命だよ?
睨みをきかすデイジーを横目で見つつ、魅月が耳打ちした。
「デイジー、大丈夫?」
気にすることもなく、ハルが尋ねる。
頷いて、彼女はそっとため息をついた。
「皆さん、お揃いで……」
「やあ、デイジー。元気そうだねっ」
「揃ってないけどな、約1名」
テンションの全く異なる返答を流して、デイジーは茜に視線を投げる。
「無事、ですね」
「あ……デイジー、ありがとう」
笑顔を見せる茜。
デイジーは照れ臭そうに俯いて、別に、とだけ呟く。
「あれ、そう言えば、どうなってるの?」
現状を把握しかけて、何故か魅月とケイの間にいる滉を見つける。
不思議に思うのは当然で、茜は予想しやすい不思議そうな表情で首を捻っていた。
「まあ、ある意味2人の功績じゃない?」
滉をチラミして、ハルがそう答える。
うるさいよ
そう拗ねた滉の声。
無表情を返して、ハルは無視した。
最初のコメントを投稿しよう!