その先に

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「健治は君を救いだと言っていたよ」 滉の言葉に、デイジーは振り向いた。 ケイがお茶を入れにキッチンへ向かうと、茜とハルも何故かそのあとに続いた。 魅月に至っては、いつも全員が集まる一室に姿がない。 恐らくは自室だろうが、何を考えているかは不明だ。 残されたデイジーに、滉はゆっくり過去の健治の言葉を綴った。 「なら俺は希望を示す道の花をかざそう」 なんのことか デイジーは意味が分からず首を傾げる。 「健治はね、僕らにそう言ったんだよ……彼は、自らがこのゲームに参加し犠牲になることで、君がゲームに参加するイコール、それは救いだと言っていたんだ」 耳を、疑った。 健治がそんなことを? ドミノゲームにおいて、今までデイジーがそこまでの働きをしたとは思えない。 健治の命を投げてまで、参加させる価値が自身にあったのか疑わしい。 第一、健治がそこまでしてドミノゲームに救いを差し伸べたかった理由は何だ。 「……すまないね」 「え?」 「健治は、元々関わらなくて良かった存在だ。それが……結と僕の采配ミスが多々あってね、巻き込まざるを得なくなった。健治だけじゃない。神無月を招き入れたオーナーも、魅月をメンバーに入れた理由も全て采配ミスなんだ」 采配ミス。 そんな言葉で 終わらせられるのか。
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