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作品タイトル
『青春失格』
著者 鈴木一
―――なつみ、読んでくれるかい?
<前略>
「これは私の告白文であり自叙伝であり遺書である。」
――――僕の青春は失敗だった。
―-序紙――
新しい気持ちの芽生えはほんの何気ない一言で生まれてくる。瞬間的にその気持ちが膨れ上がって自分自身を支配していく。あたかも昔からそこに存在していたかのようにそれは僕の心の中心でもがいている。
あの頃の僕には何かに依存して生きていく事しか出来なかった。しかし新しく芽生えた僕の感情には今までの人生を根底から覆す力が有った。
人は理性の限界を超えると無意識の欲望で動く。
理想ばかりが先行し世の中に対して自分自身が無知なのにも関わらず批判の声を上げ、孤独感から自分自身に無害な友人を作り、自己哲学と思い込みただのわがままを他人に講釈し、数数えきれない未成熟な感情を熱くたぎらせて活きていく。
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