†Prologue†

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「…あった。あったよ!」 私は喜びに満ち溢れ、彼女に報告した。 でも彼女は何も反応しない。 すると彼女の手から、一枚の紙がヒラリと落ちた。 それは、受験番号だ。 私はそれを拾い上げ、その番号を探した。 だけど、見つからなかった。 何度も探したが、やはり見つからない。 「紫音…」 彼女、紫音(シオン)は下に俯きながらこう言った。 「…とう」 「えっ?」 「歩美受かったんでしょ?本当におめでとう」 「紫音…」 紫音は私でも分かるような嘘の笑顔を見せていた。
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