†Prologue†

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すると紫音は後ろの校門の方をを振り向くと、猛スピードで走り出した。 「紫音っ!」 私が追いかけようとしたが、もうその姿は見えなかった。 地面には、忘れさられたかのように落ちてる紫音の受験番号。 雨の匂いがする。 雨がもうすぐ降る。 小雨だったそれはやがて大粒の雨となり、置き去りの受験番号と私自身を濡らしていった。 合格した喜びより、友達が落ちた悲しみの方がはるかに大きかった。 一緒に行きたかった…私の理想の高校生活は、もう送ることができない。 私も入学手続きを終わらせて、同じく帰った。
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