第一章~訪問

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「はぁ~、もうすぐ夏休みだね」 「そうだね~。あ、ねぇねぇ? みんなでどっか行かない?」 「うんうん!! 行こうよ!」 ここは県立D高校。偏差値は高めで県内でも五本の指に入る程。 また部活動も盛んである。関東大会や、全国大会=インターハイにも名を連ねる文武共に優秀な学校である。 「どこいく~?」 ガリ勉が大半を占めているかと聞かれたら迷わずノーと答える。男子はイケメン揃いで、女子も負けてはいない。 「う~んと…」 今首を傾げている女子生徒が坂原美由。この学校に入るだけでも優秀なのに、彼女は学年でトップ3の座に着いている。 外見も悪くないので、狙っている男子は少なくないとか。 「みゆ~? またランチバイキングのこと考えてたでしょ~?」 いま、口を挟んだのが矢野彩夏。彼女と美由は小さい頃からの友達で、親友と呼ぶに相応しい間柄である。 「え!? ちょっと彩夏~そんな訳ないじゃん!!」 必死で否定する美由だが、顔は真っ赤である。
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