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「え!? 旅行??」
その日の夜。美由は電話で彩夏と話している。
「うん! うちの親が言うには少し遠いんだけど、結構有名らしいよ!」
「へぇ~。それで、舞とみずきを入れて四人で行くの?」
「うぅ~ん、どうする? 他に誰か誘ってみる?」
美由は考え込む。あまり大人数で行くと分裂しちゃうから、これくらいが妥当かな。
「いや、これくらいでいいんじゃない?」
「そっか。わかった!」
「あのさ~?」
「ん?」
「民宿? それとも旅館?」
彩夏は少し黙り込む。資料かなにかを捲る音が電話越しに聞こえてくる。
「えっとね、旅館かな!」
その言葉に美由は笑みを浮かべる。
「ほんと!?」
「でも、バイキングじゃないみたい……」
「そっかぁ……」
はぁと落胆する美由。
「そんながっかりしないでよ! 写真が出てるけど美味しそうだよ!!」
「ほんとぉ!? うわぁ~楽しみだな~!」
「名前が紅館(クレナイカン)でちょっと不気味だけどね……」
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