第一章~訪問

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「え!? 旅行??」 その日の夜。美由は電話で彩夏と話している。 「うん! うちの親が言うには少し遠いんだけど、結構有名らしいよ!」 「へぇ~。それで、舞とみずきを入れて四人で行くの?」 「うぅ~ん、どうする? 他に誰か誘ってみる?」 美由は考え込む。あまり大人数で行くと分裂しちゃうから、これくらいが妥当かな。 「いや、これくらいでいいんじゃない?」 「そっか。わかった!」 「あのさ~?」 「ん?」 「民宿? それとも旅館?」 彩夏は少し黙り込む。資料かなにかを捲る音が電話越しに聞こえてくる。 「えっとね、旅館かな!」 その言葉に美由は笑みを浮かべる。 「ほんと!?」 「でも、バイキングじゃないみたい……」 「そっかぁ……」 はぁと落胆する美由。 「そんながっかりしないでよ! 写真が出てるけど美味しそうだよ!!」 「ほんとぉ!? うわぁ~楽しみだな~!」 「名前が紅館(クレナイカン)でちょっと不気味だけどね……」
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