愛し君へ

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愛し君へ

      空が濁る。 瞼を閉じれば零れ落ちる涙と、戦地で浴びた真赤な液体。 その二つが奇妙に混ざって、見上げた快晴の空を、大好きな日輪までもを濁している。   芯が冷えていく感覚を覚えながら、失ってしまった過去をただ見つめる。   もう二度と言葉を交わすことは出来ない。 断ち切られてしまった、絆とも言い難い鎖のような何か。       さようなら      
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