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次の日、クロノはガジルと共に登校した。
友人もかなり増え、なかなか幸先のいい学校生活を送れている。
まぁ、他のメンバーにいちいち年下扱いされる点を除けば、だが……
教室に入ると、一部が異常な盛り上がりを見せている。
何事か、とクロノ達が教室にいたメンバーに聞いてみると、皆苦笑して教室の黒板を指差す。
そこにはでかでかとこう書かれていた。
『ちびっ子抱き締めようの会♪』
「「は?」」
クロノとガジルの間の抜けた声が合わさる。
すると盛り上がりの中からふえぇ、というなんとも困り果てた声が聞こえてきた。
振り向いた先にいたのは、目をぐるぐると回しているティアラと、彼女をきつく抱き締めている数人の女子生徒。
また、それを取り巻いて見ているその他多数のクラスメイト達……
2人して唖然としていると、クロノはティアラを抱き締めている女子の1人と目が合った。
その目がキラリと輝くのが確認出来た瞬間、クロノは彼女の腕の中にいた。
「……え?」
「うぉっ!」
「ちびっ子~発見ッ!!」
三者の声が見事に重なる。
その時になって初めてクロノは自分の状況を理解した。
(え!?なんで僕抱き締められてるの!?)
「きゃ~、もう可愛い♪
ティアラちゃんと言い、クロノ君と言い、何でこう可愛い子がこんなに集まるかなぁ?」
クロノの気持ちなどお構い無しに彼女は抱き締め続ける。
するとティアラを抱き締める順番待ちしていた、他の女子生徒達もクロノの方へ向かってくる。
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