友と抱擁と訓練と

2/26
1938人が本棚に入れています
本棚に追加
/271ページ
次の日、クロノはガジルと共に登校した。 友人もかなり増え、なかなか幸先のいい学校生活を送れている。 まぁ、他のメンバーにいちいち年下扱いされる点を除けば、だが…… 教室に入ると、一部が異常な盛り上がりを見せている。 何事か、とクロノ達が教室にいたメンバーに聞いてみると、皆苦笑して教室の黒板を指差す。 そこにはでかでかとこう書かれていた。 『ちびっ子抱き締めようの会♪』 「「は?」」 クロノとガジルの間の抜けた声が合わさる。 すると盛り上がりの中からふえぇ、というなんとも困り果てた声が聞こえてきた。 振り向いた先にいたのは、目をぐるぐると回しているティアラと、彼女をきつく抱き締めている数人の女子生徒。 また、それを取り巻いて見ているその他多数のクラスメイト達…… 2人して唖然としていると、クロノはティアラを抱き締めている女子の1人と目が合った。 その目がキラリと輝くのが確認出来た瞬間、クロノは彼女の腕の中にいた。 「……え?」 「うぉっ!」 「ちびっ子~発見ッ!!」 三者の声が見事に重なる。 その時になって初めてクロノは自分の状況を理解した。 (え!?なんで僕抱き締められてるの!?) 「きゃ~、もう可愛い♪ ティアラちゃんと言い、クロノ君と言い、何でこう可愛い子がこんなに集まるかなぁ?」 クロノの気持ちなどお構い無しに彼女は抱き締め続ける。 するとティアラを抱き締める順番待ちしていた、他の女子生徒達もクロノの方へ向かってくる。
/271ページ

最初のコメントを投稿しよう!