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――真夜中のコミックカフェ。
店内は、終電のなくなったサラリーマンと若い男たちで、ほぼ満席だった。
俺はここで夜が明けるのを静かに待っていた。
目立たぬよう、七三分けに銀縁メガネ。
地味なスーツとネクタイ。
どこから見ても、うだつの上がらない中年サラリーマン。
――しかし、今はこれでいい。
静かに、ひっそりと、
街に溶け込んでいく。
目的のため、
今はこれでいい……。
自分に云い聞かせ、シートを倒すと、ゆっくり眼をとじた。
眠れるときに眠っとく。
思うものの、なかなか寝つけない……。
神経が尖っているからか?
布団の中ではないからか?
それも確かにあるだろうが、一番の原因は、
……周囲が五月蝿い。
いびき、携帯電話、独り言……。
みんな、よく我慢できるものだ。
――仕方ない。
今は時間が経てばいい。
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