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「てめえ、なんとか云えよ!」
胸ぐらを掴まれると、踏張れず、軽くよろけた。
……ここで暴れて、目立ってしまっては許もこもない。
俺は目的のためにも、これくらいでキレたりはしない。
――俺の長所は意思が強いことだ。
「やっ、やめて下さい!」
俺はわざと弱々しく訴えた。
「金で済ますか?、血ぃみるか……? どっちがいい?」
迷彩パンツを履いた長身の男が声を掛ける。
雰囲気からみて、どうやらこいつがリーダーらしい。
なんか…、ありふれた台詞が続く。
テレビか漫画が手本か?
思い浮かべ、口元が弛む。
「なにが可笑しいんだ!」
顎髭が平手打ちを張る。
勢いで眼鏡が吹き飛ぶ。
「おいおい、泣かすなよ!」
迷彩パンツの声と、女の嘲笑が耳に入った。
「おいっ、こいつの財布と携帯取り上げろ!」
顎髭が隣にいた金髪の小僧に指示を出す。
それを聞いた金髪が、ショルダーバッグを奪い獲ろうとする。
「チョッ、やめて下さい!」
「うるせぇっ!」
顎髭が再度、平手打ちを喰らわせてきた。
同時に、金髪の膝蹴りが外腿に響く。
「ボコられたくなかったら、云うこと聞きな!」
迷彩パンツが云う。
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