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「誰だろ……」
ゆっくりと立ち上がり、玄関へと向かう。
何か宅配便だろうか?
それとも勧誘とか。
居留守を使ってもいいんだけど。
足音を忍ばせながら玄関のドアまで行き、ドアスコープに目を近づける。
誰?
ドアスコープから見えたのは知らない若い男だった。
チラチラと時折腕時計を気にしながら玄関のドアを見つめていた。
なんだろう?
音を立てないようにそっとチェーンをはめ、ゆっくりとドアを開ける。
無愛想に「はい」と言いながら。
チェーンがはめられたドアの隙間から見えた男は、私を見て小さく「あっ」と言って頭を下げた。
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