10904人が本棚に入れています
本棚に追加
/422ページ
「ありがとうございます。引っ越しが終わりましたら、また改めてご挨拶に来ます。夜分に突然すみませんでした」
言い終わると、彼は深くお辞儀をした。
全開に開けられたドアから見える全身の彼が、また私をドキンとさせる。
必死で落ち着かせていた胸の鼓動を刺激する。
私を、刺激する。
まだ会って数分なのに――
彼の顔も、声も、話し方もスタイルも。
そして、その優しげな雰囲気も。
彼の全部が私の心を揺さぶった。
最初のコメントを投稿しよう!