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ねえ。何年ぶりなの?
こんな気持ち。
病気に冒されて、体中が気だるくて熱を帯びたあの感じに似ている。
クラクラする。
答えは簡単だ。
彼は私のタイプだった。
背が高い人が好きで
甘めの顔が好きで
黒髪が好きで
男っぽい声が好きで
ギャップのある人が好きで、キレイな清潔感のあるファッションの男が好き。
ああ、そうだ。
彼は手も綺麗だったな。
だから私は手がキレイな人も好きだ。
だって彼がそうだったから。
私は久しぶりの高揚感に舞い上がっていた。
胸を弾ませながらリビングに戻ると、姿見の長方形の鏡に写る自分の姿が目に飛び込んできた。
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