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ブーツを履き、颯爽と自分の部屋を後にする。
良かった。
まだ彼は来ていないようだ。
一階まで降り、外に出た私は自分の住むマンションを見上げた。
四階の私の部屋。
403号室。
その隣の402号室に今日彼は来る。
ここに住んで良かった。
少し古いマンションだけど、見た目は悪くない。
2LDKの割に家賃も安い。
駅まで少し遠いからだろう。
不便だと感じたこともあったけど、そんな事はもうどうでもいい。
だって……。
彼が今日ここに来るんだから。
私の未来が今日から始まるんだから。
なんの変哲もない見慣れたマンションが、彼という存在を通してとても愛しく感じられた。
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