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よく晴れた秋の空が、期待に膨らんだ胸をキュンとさせる。
よし、行こう。
切なくなるほどの晴天の中、私は駅に向かい歩き出した。
少し風が冷たい。
私は、スタンドカラーの黒のタイトなジャケットに、豹柄のストールを手際よく巻きつけた。
巻き髪が弾む。
スカートがユラユラと優雅に揺れる。
ブーツが一定のリズムで格好良く地面を鳴らす。
私の足は、この上なく軽やかだ。
ねえ、誰か私を見てよ。今日の私、すごく綺麗でしょう?
すれ違った後、振り返ってもいいのよ?
なんなら声をかけたっていい。
勿論断るけど。
ああ、今の私は自信に満ち溢れた顔をしているんだろうな。
大人の女の余裕ってヤツ?
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