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暇を持て余して、私はタバコに火をつけた。
時間はなかなか過ぎてくれない。
時計をみると、午前9時半を指していた。
まだこんな時間。
でも、今帰るわけにはいかない。
退屈だ……。
何となく目に付いたチャットルームに入ってみた。
遼平『こんにちは』
saki『こんにちは』
入ると同時に、チャット特有のお決まりの挨拶が私に向けられる。
退屈しのぎに入ったルームだったからどうでもいい。
向けられた挨拶を無視して、私はただ画面を流れてゆく文字を見ていた。
こんな朝早くからチャットなんかしてあんたたちも暇ね。
ま、私も同類だけど。
伸びたタバコの灰が落ちそうで、ふかしていたタバコの火をギュッと灰皿に押し付けて消した。
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