10904人が本棚に入れています
本棚に追加
/422ページ
遼平『よろしく、ハル。
俺もハルとよく似たもんだよ。
俺もたまにしかチャットやらないから慣れてないし。
今日も時間潰す為にチャットやってるだけだからさ』
ふーん。
時間つぶしか。
私と一緒ね。
ま、ただの暇つぶしの相手だし適当に返事しとくか。
私は慣れた手付きで文字を打ち込んでゆく。
ハル『そうなんだ。
私も時間潰してるんだ。
一緒だね。
遼平くんは何してる人?』
あ……チャットに慣れてないとか言いながら、すごい速さで返信してしまった。
まあいいか。
遼平『遼平でいいよ。
俺はフツーの会社員だよ。
今日もこれから得意先に行く予定なんだけどさ。
時間が中途半端にあいたもんだから、それまでネットカフェで時間潰しでチャットしてた。
ハルは何してる人?』
私?
私は運送会社で働くしがない事務員です。
ハル『ごめん。言いたいんだけど
おじいちゃんの遺言で、自分の職業だけは人にはしゃべるなって言われてるんだ。ホント残念…』
私は、普段なら絶対にしないであろう返事を打ち込んで送信した。
そう。
ただの暇つぶしの相手。
もう二度と話す事もない人だろう。
飾るのは、やめた。
最初のコメントを投稿しよう!