チャット

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遼平『アハハ! ハルっておもしろいな! じいちゃんの遺言なら仕方ないよな』 ──おもしろい。 チャットやってて初めて言われた。 今までは女の子を演じる事しかなかったから、そんな風に言われた事なかった。 なんか変な感じ。 妙な感覚を覚えながら、私はまたキーボードを叩き始める。 ハル『おじいちゃんの遺言だけど、特別に遼平には教えてあげる。 私も会社員だよ。 小さな会社で事務してる』 エンターキー。 ──送信。 遼平『そっか。 じいちゃんの遺言を破ってまで俺に教えてくれてありがとな。 俺は25歳なんだけど、ハルは歳はいくつ?』 来た。 やっぱり歳は聞かれるわよね。 遼平は25歳か。 私より八つも下だ。 飾ることをやめた私は 『33歳です』 偽ることなく正直に打ち込んだ。 本当の私。 初めて、送信――……
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