10904人が本棚に入れています
本棚に追加
/422ページ
遼平『アハハ!
ハルっておもしろいな!
じいちゃんの遺言なら仕方ないよな』
──おもしろい。
チャットやってて初めて言われた。
今までは女の子を演じる事しかなかったから、そんな風に言われた事なかった。
なんか変な感じ。
妙な感覚を覚えながら、私はまたキーボードを叩き始める。
ハル『おじいちゃんの遺言だけど、特別に遼平には教えてあげる。
私も会社員だよ。
小さな会社で事務してる』
エンターキー。
──送信。
遼平『そっか。
じいちゃんの遺言を破ってまで俺に教えてくれてありがとな。
俺は25歳なんだけど、ハルは歳はいくつ?』
来た。
やっぱり歳は聞かれるわよね。
遼平は25歳か。
私より八つも下だ。
飾ることをやめた私は
『33歳です』
偽ることなく正直に打ち込んだ。
本当の私。
初めて、送信――……
最初のコメントを投稿しよう!