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私の恋は、一週間で終わりを告げた。
短かった。
本当に……。
私は二つの箱を抱えながらリビングへと向かう。
一つは彼にあげるはずだったケーキ。
もう一つは、あの女からさっき貰ったもの。
リビングへと歩く足取りはフラフラで、その場にへたり込んでしまいたくなる。
それでもなんとかソファーまでたどり着き、私は腰を下ろした。
──何も考えられない。
私の目は、一点を見つめる。
この一週間の私は何だったの?
一人浮かれて、綺麗に着飾って……。
あんな女がいるとも知らずに。
いや
彼が独り身だと勝手に思いこんでいた私が悪い。
違う
のぼせ上がってそんな事頭になかった。
久しぶりの恋だと、舞い上がっていたのよ。
──私は結局、また一人なんだ。
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