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パソコンまで行って、誰からのメッセージなのか確認したいけど、隣の部屋が気になって仕方がない。
もしかしたら隣にいるのは彼かもしれない。
私はメッセージを確認するのを後回しにして、壁に耳を押しつけ続けた。
相変わらずテレビの音や人の気配を感じるだけで、そこにいるのが誰なのかはわからない。
しばらくして、壁の向こうから規則的な電子音が聞こえてきた。
──電話?
電話のベルの音がする。
かすかに聞こえる足音。
そして、鳴り続けていた電話のベルの音がやんだ。
私は、強く耳を押しあてながらその様子を伺った。
私の耳に聞こえてきた、くぐもった女の声。
突如として、私の胸に炎のような嫉妬心が湧き上がってくる。
隣にいたのは彼ではなく、あの女だった。
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