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私はそんな系斗を見つめると、たまらずに系斗に飛び付いて、
「馬鹿!!何処に行くつもりよ!!あなたまでいなくならないで。私を一人にしないでよ!!」
と泣き叫ぶと、系斗は驚いていたけれど私をきつく抱きしめた。
「私は………許せないんだ。自分自身が。いつも、肝心な場で判断を誤る。裕を死なせてしまったのは、私です。そばにいたのに、毅の気配すら気付かないなんて!!本来なら、殺されなくちゃいけないのは、私なんだ!!なんで私は生きているんだ!?」
系斗はそう叫ぶように言いながら、その瞳に涙が溢れて来て、私は背伸びをして系斗の唇を塞いだ。
何故、そんなことをしたのか、自分でも分からない。
だけど、系斗の涙があまりに辛くて、辛くて………苦しくて…。
受け止めたかった。
いつもそばにいて守ってくれたのは、あなただった。
系斗。
今頃気がついた。
系斗、というかけがえのない存在に。
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