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私は系斗の胸からゆっくりと離れると、系斗はまだ涙ぐんでいたけれど、今度は系斗の方から私を抱き寄せてキスをしてくれた。
系斗…………。
*
私と系斗は一緒に東京に向かった。
私はお通夜を抜け出して来た。制服は着替えてきたけれど。
そして、なんだか胸騒ぎと同時に確信があった。
もう二度と、名古屋に帰ってくることはない。
おじいちゃんとおばあちゃんには、もう会わない。
二人を巻き込みたくないから………。
さよなら、の置き手紙はしてきたよ。
だから、系斗。
あなたと一緒に、行くわ。
何処へでも…………。
私は窓際に座って、隣には系斗が手を繋いでそばにいる。
系斗の肩にもたれながら、私は目を閉じていた。
そうして東京に着いて、私達はシティホテルに泊まった。
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