637人が本棚に入れています
本棚に追加
系斗と私は、親子ほど歳が離れているのは分かってる。
だけど、そんなこと関係ない。
ねぇ、系斗。
そうでしょ?
系斗は、優しくキスを繰り返して《初めて》の私を抱いてくれた。
颯太を好きだったのは、事実。
だけど、同時に系斗にも惹かれてた。
ズルイかな?
系斗がいたから、失恋だって乗り越えてきたんだよ。
お父さん。
いいよね。
私、系斗を好きで、いいよね?
系斗に抱かれて、すごく幸せを感じるのに、何故涙が溢れるの?
「辛い……?」
系斗は私を抱きながらそう尋ねると、私は泣きながら系斗を見上げて頭を横に振った。
「もう会えない人たちのことを思ったら、………悲しくなったの。お父さんがいないなんて、嘘だよね?」
「茗…………。私が、ここにいますよ」
穏やかに微笑みながら系斗がそう言うと、私は頷きながら系斗を抱きしめた。
最初のコメントを投稿しよう!