最終章 Rainy Day

10/25
前へ
/459ページ
次へ
愛してる。 あなたを愛してる。 愛してる…………。 * 雨が窓を叩く音で目を覚ますと、私はハッとして辺りを見渡した。 そこには、もう系斗はいない。 裸だった私は、そこに寝ていたはずの系斗の温もりを探してシーツをなぞり、唇をキュッと噛み締めた。 「…………系斗。あなた、死ぬ気ね…?」 * 系斗は、携帯電話をいじっていた。 メールが来ている。 送信先は………。 永澤毅だ。 毅に誘われてやってきたのは、神奈川県の横浜、大黒埠頭だ。 系斗は銃を抜きながら、微かに笑った。 覚えてるか?裕。 貴様とは、ここで初めて会ったよな。 裕は熱血感溢れる刑事で、ここで俺と対決したんだ。
/459ページ

最初のコメントを投稿しよう!

637人が本棚に入れています
本棚に追加