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系斗。
会いたい。
あなたに、会いたい。
そう思うと、涙が頬を伝ってきて私は涙を拭うことも忘れた。
「私は、系斗を愛してる。…………愛してるの………。いつも私を守ってくれた。いつも、そばにいてくれたわ。彼を失いたくない。お父さんも、同じ思いのはず。敵討ちくらいで、死んでほしくない。仇なんて、どうでもいい。だけど、土岐さん。お願い。永澤毅を逮捕して。最後くらい、警察の力を見せて。お父さんも系斗も、嫌っていた警察の力。ここで見せて…………!!」
泣きながら必死に私がそう言うと、土岐警部は泣きながら大きく頷いた。
と、同時に。
大黒埠頭に到着し、高速を降りて倉庫に向かった。
「………ここは………」
と土岐警部は懐かしそうに目を細めると、私は土岐警部を見た。
「僕と鏑木さんが、昔、初めて系斗に会った場所です」
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