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「茗は……!!!」
系斗の瞳が一気に潤んで、きつく目を閉じた。
「彼女を愛していました。かけがえのない大切な人でした。でも…………私と生きたいと願ってくれた茗は、私を庇って………永澤毅に撃たれて…………亡くなりました…………!」
系斗は、アレックスよりもかなり背が高いはずだが、今は誰よりも小さいように見える。アレックスは嘆き苦しむ系斗を見つめて、その肩をグッと掴んだ。
「私と一緒に来るか?」
「え………?」
泣きながら、系斗は少しだけ顔を上げてアレックスを見ると、アレックスは真顔で系斗を見つめている。
「いつまで裏の世界にいるつもりだ。その腕、その力。違う使い方があるはずだ。亡くなった人たちのためにも、系斗は違う生き方をするべきだ。彼女は言っていたそうだな。未来のために、生きるのだと」
アレックスの言葉に、系斗は息を飲んでいた。
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