636人が本棚に入れています
本棚に追加
未来があるから、私たちはどんなに辛いことがあっても、前に進めるんだ。
それが、茗の言葉だった。
系斗は思い出して、余計に辛くなって声を上げて泣き出すと、アレックスはそんな系斗の肩を何度も叩いた。
「いいか、系斗。みんなの未来は、お前に託されたってことだ。そこから抜け出して、一緒に行こう。お前には中国の行政院もついてるんだろう?私と一緒に行こう」
「ドクターアレク………!!」
系斗が小さく頷くと、アレックスは系斗の肩を抱きながらタクシーに向かって二人で歩き、やがてタクシーに乗り込んでいくと、二人は成田空港に向かった。
未来。
私には、これからどんな未来があるというのだろう。
だけど、私にも生きる意味があるというのなら、…………生きたい。茗と、裕たちのためにも……!
*
それから数年後。
最初のコメントを投稿しよう!