ハウス国境 [フリーク]

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(あそこが操舵室ということは…) フリークは前方のやや高い空間を睨みつける (ヤイパはあそこか) 指令室とおぼしきスペースまで一直線である 元来暗殺を生業にしていた彼には簡単なコースであったが、フリークはいつもより慎重に歩を進めた 相変わらずタンク内は振動と騒音でうるさい しかしその悪環境の中、フリークは視覚・聴覚に神経を集中させる 音もなく扉を開け 気配を消して指令室に入り込む 呼吸や鼓動の音もしない今の彼は、まるで影のようであった しかし部屋に入ってすぐに彼は異変に気付く (血の匂い…!) 薄暗い部屋には司令官用の椅子が1脚 残念な事にフリークの位置からは座っている人物の姿は確認できなかった (何か、おかしい) 慎重で冷静に物事を考える彼だが、今はあまり時間が無かった フリークは一気に跳躍する 剣を構えたまま、椅子の前に躍り出た !? 「そんなっ!」 刹那の間を置き あまりの光景にフリークは叫んだ 唖然として身が固まる フリークの額から汗が流れた 椅子には首のない人物が腰掛けており 膝の上で支えるように何かを両手で持っている ヤイパの首であった
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