ハウス国境 [フリーク]

7/10
前へ
/34ページ
次へ
何故この男に脅威を抱くのか フリークは青年を見据えた (…自然なんだ) ファオランは一見一般人にしか見えない これ程の実力者がその能力を完璧に表に出さないでいる (それが…恐ろしい)  だが (それでも俺は動力部を潰しに行かなければいけない) 今一度、フリークはマッシュルームカットの青年を見据えた 視線に気付いたファオランは、フリークの表情から彼が取ろうとしている行動を推測する 「そらあかん っちゅうより、もう手遅れやな」 ファオランは首を僅かに傾けた (…どういうことだ?) サイロ国境はまだ踏んでいない つまり打てる手は有るはずである フリークが考えを巡らしたその時、低いモーター音が戦車内に響いた 「この音は…」 音の出所は操舵室の方角である (まさか!) 気付くや否や、フリークは扉へ向けて跳躍した 「動かんとき!」 後から駆けたファオランの方が先に扉に着き、フリークの前に立ちはだかる しかし相手が如何に強かろうと フリークは今この瞬間に退く訳にはいかない 彼の予想が正しければ、先程のモーター音は、主砲の起動音 このままだと、実状はどうであれ 歴史上では、ハウスがサイロに先に仕掛けた事になってしまうのだ
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加