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何故この男に脅威を抱くのか
フリークは青年を見据えた
(…自然なんだ)
ファオランは一見一般人にしか見えない
これ程の実力者がその能力を完璧に表に出さないでいる
(それが…恐ろしい)
だが
(それでも俺は動力部を潰しに行かなければいけない)
今一度、フリークはマッシュルームカットの青年を見据えた
視線に気付いたファオランは、フリークの表情から彼が取ろうとしている行動を推測する
「そらあかん
っちゅうより、もう手遅れやな」
ファオランは首を僅かに傾けた
(…どういうことだ?)
サイロ国境はまだ踏んでいない
つまり打てる手は有るはずである
フリークが考えを巡らしたその時、低いモーター音が戦車内に響いた
「この音は…」
音の出所は操舵室の方角である
(まさか!)
気付くや否や、フリークは扉へ向けて跳躍した
「動かんとき!」
後から駆けたファオランの方が先に扉に着き、フリークの前に立ちはだかる
しかし相手が如何に強かろうと
フリークは今この瞬間に退く訳にはいかない
彼の予想が正しければ、先程のモーター音は、主砲の起動音
このままだと、実状はどうであれ
歴史上では、ハウスがサイロに先に仕掛けた事になってしまうのだ
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