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フリークは大きく剣を振りかぶり、勢いよく斬りつけた
旋風が巻きあがる
しかし斬撃は扉のファオランではなく、窓ガラスへと飛んでいった
騒がしい音を立ててガラスは飛び散る
太陽がガラスに乱反射して、指令室が一瞬眩くなった
それと同時にフリークは割れた窓から外に駆ける
「そうきたか!」
愉快そうにファオランは笑う
(中から無理なら外から叩くまで!)
中空へ躍り出たフリークは、渾身の一撃を主砲に喰らわした
一筋の閃光が煌めく
直後に主砲は音もなく分離し、重力に従ってゆっくりと落下していった
「お見事」
拍手をしながら、ファオランも外へ飛び出る
一方のフリークは傾きながらキャタピラに吸い込まれるように落ちていった
主砲を切り落としたはいいが、着地のことは考えていなかったのだ
(まだ砲撃を阻止したに過ぎない…
このままではやはり、戦争は始まってしまう!)
落下しつつある傾いた体勢で、フリークは再度剣を構えた
(キャタピラを一カ所でも破壊すれば…!)
フリークの瞳が鋭く光る
やはり着地等は一切考えておらず、彼は捨て身であった
持てる全ての力を以て、フリークは剣を振り下ろす
「させへん!」
それに呼応するように、ファオランも剣を振り下ろした
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