サイロ王宮1 [ハヤノカ]

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「これが現状だ」 王座の間にテノールの声が響く 「更に言うと、ハウスの軍が国境を越えるのは時間の問題 グラード郊外の釆軍もそれにやや遅れてサイロに到達すると予測される …つまり、多くを説明する時間がない」 声の持ち主は、赤い瞳で一同を見渡す 皆、一様に混乱の表情を面に出していた しかしそれも仕方がない 王座にはオペレッタの生首を大事そうに抱えた放心状態の国王サリが座り 本来そのサリの隣に居るはずのソルトバがいない 王座の間に緊急召集されたゴージャワイトとゴージャワイト・スペアが事態を理解できないのも無理がなかった 唖然とする一同に向けて、更に赤目の人物は続けた 「現状はサリ様・オペレッタ・ソルトバが不在と考えて相違はない しかしハウス・釆が侵攻しつつある今、誰かが指揮を執らないとならない」 赤目の男はそこまで言うと、また一同を見渡した 彼の白い髪が肩の上で揺れる 「今いるメンバーの中で任期が一番長いので、今は俺が話を進めているが…異論があれば言ってくれ 今後は士気に関わる」 ミヤはゴクリと唾を飲み込んだ ゴージャワイトで一番強く、ワイト・ブルーの異名を持つオペレッタが死に そのゴージャワイトをも凌ぐソルトバが不在 肝心の陛下は気が触れてしまっている… 何がどうなっているのか、さっぱり分からなかった しかし、この国は危機に瀕していると理解できた (異論なんてあるわけがない…兎に角、国を守らないと) 先日のA.I.Kとの手合わせで力の無さを感じていた彼は、拳を握り締めた
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