broken heart

10/23
前へ
/100ページ
次へ
   定義で語ることが可能な、世の中では常識とされるかたちから、突然はみ出してしまった我が子。  両親は、ある意味、失望したといってもよかった。  混乱は“幸福な親子”の間に目に見えない亀裂を生じさせ、やがてそれは深く確かな溝となり。  日を追う毎に交わす言葉すらなくなって。  実の親ですら、どう理解し対応してよいのか、狼狽えるだけの夏が過ぎ。  結局は、互いに距離を持った状態のまま退院し、秋を迎えた。  この降って湧いた“特殊な事態”に、PTAや教師達は何が出来ただろう?  いや……  彼等は、何をすべきか考えようとしたのだろうか。    
/100ページ

最初のコメントを投稿しよう!

50人が本棚に入れています
本棚に追加